ジチタイワークス

東京都武蔵野市

貯留浸透施設の埋設によりゲリラ豪雨への備えを強化。

計画的な施工で冠水・浸水の被害を防ぐ

頻発する豪雨や台風等の影響で、下水道が大量の雨水を処理しきれず、地上に溢れ出すトラブルが各地で発生している。そうした豪雨被害の軽減を目指し、武蔵野市は雨水貯留浸透施設の導入を進め、安心安全なまちづくりに取り組んでいる。

※下記はジチタイワークスVol.10(2020年6月発行)から抜粋し、記事は取材時のものです。
[提供]積水テクノ成型株式会社

合流式主体の地域だからこそ計画的な雨水対策が重要に。

ゲリラ豪雨の激甚化に加え、大雨を伴う台風の発生回数も増えていることから、雨水流出対策は、多くの自治体にとって喫緊の課題の一つになっている。特に市街化が進んだ都市部では、雨水が地下に浸透する場所が減少。下水道管に集中的に流れ込むことで負担が大きくなり、冠水・浸水被害が頻発するようになった。市内に大型河川が流れていない武蔵野市でも、豪雨時には窪地を中心に浸水被害が起きていたという。

同市の場合、雨水と汚水とを同じ管で流す「合流式下水道」エリアが市内の約9割を占めるため、下水が溢れると衛生上の問題も発生する。

平成17年9月の集中豪雨では、市内各地で床下・床上浸水が発生したほか、市公共施設などでも地下階の大半で浸水被害が発生。これを機に、平成19年度に「善福寺川排水区総合浸水対策緊急計画」が策定され、8カ年にわたり同市の雨水流出対策が進められていった。

雨水貯留浸透施設は、費用と工期の両面で優れていた。

道路や市街地における雨水流出対策も重要だが、学校のような広い敷地内に降った雨水が全て下水道管に流れ込むと、溢水する可能性が高まる。

そこで、同市内にある複数の学校敷地内に雨水貯留浸透施設を埋設することになった。「広い敷地内の雨水をいったんこれらの施設に貯め、徐々に地下へ浸透させることで、市内全体の下水道管への負担を効果的に軽減させるのが狙いです」と、武蔵野市の武井さん。

「ただ、雨水貯留浸透施設を学校のグラウンド地下などに施工する場合、夏休みなど限られた期間内に工事を完了させなければなりません。複数製品を比較した結果、短い工期に対応できるプラスチック製の雨水貯留浸透施設を採用することになりました」。

現時点では豪雨被害が軽減。啓発のため住民見学会も開催。

前述した善福寺川排水区だけではなく、市内全域の浸水対策を実施するため、平成27年4月に策定した「武蔵野市流域対策実施計画」にもとづく施工も進み、市内18カ所の小・中学校のうち、16校のグラウンド地下に雨水貯留浸透施設の施工が完了。

そのうち数箇所に導入されていたのが、積水テクノ成型の「クロスウェーブ」だ。部材点数が少なく、シンプルなプラスチック製ブロック材をつないで地下に埋設し、大きな空間(伱間)をつくることで十分な雨水を貯水することができる。また、短期間で施工できる点もポイントだ。

同市では、定期的に、これらの施設の清掃や点検を行うことにしているのだという。定期メンテナンスを欠かさないのは、施設の機能を維持するための同市ならではの配慮だ。また、施工時には地域住民に呼びかけ、見学会を実施しているそう。工事が完了すれば見えなくなってしまう施設だけに、見学会を通じて雨水流出対策の重要性を啓発しているのも、住民への配慮といえそうだ。

「令和元年に施工した境南小学校の近隣は、冠水のおそれが高かった地域ですが、プラスチック製の雨水貯留浸透施設の設置により、豪雨被害の軽減が期待されています。また、今後は公園地下などへの導入にも取り組む予定です」。

Interview


前・武蔵野市 環境部 下水道課(現・日本下水道協会派遣研修)
武井 佳子さん

 

地下につくる水空間でまちを冠水の被害から守る。

シンプル構造のクロスウェーブは、空隙率の高さはもちろん、設計の自由度の高さもポイント。発売から20年以上の歴史を持ち、国内累計施工件数は1万件以上、全国都道府県普及率は97%(学校、病院、庁舎などでも採用)、国内貯水量250万㎥という実績からも、信頼性の高さが伺える。

 

クロスウェーブの導入メリット

1.重機がほぼ不要で短工期・低コスト!

プラスチック製ブロック材は、コンパクトで軽量。そのため、製品の搬入と基礎工事以外は大型重機や特殊車両による作業が不要。コンクリート工法のような養生期間も不要なので、短い工期と低コストで施工できる。

 

2.品質の安定性も高い完全自社製

積水テクノ成型の自社工場で生産。自社で定期的な品質評価も実施しているので、構造部品の一部(または全部)の製造を他社に委託している類似製品と比較して、常に品質が安定している。自社工場では試験室も備えており、生産見学や製品立会い検査も対応可能。

 

3.レベル2相当の耐震強度と高耐荷重

レベル2地震動※に耐えられる強度を第三者機関が認定。T-25車両の通行にも対応(一般道路除く)する耐荷重性能を誇る。製品を半分ずらして積層することにより、接合部材が一切不要。積層するだけで頑強な構造体を構築。

※レベル2地振動:対象地点において現在から将来にわたり発生すると考えられる最大級の強さを持つ地振動。(国土交通省「河川構造物の耐震性能照査指針・解説」を参照)

お問い合わせ

サービス提供元企業:積水テクノ成型株式会社

TEL:03-5521-0738
住所:〒105-0003 東京都港区西新橋2-6-2ザイマックス西新橋ビル5F

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