愛知県名古屋市北区役所の民生子ども課保護係では、2014年度から職員が開発したパソコン入力ソフト「復命奉行」を導入しました。
子どもや親からの電話応対や生活保護費の算定、家庭訪問などの「ケース記録」をPC上で作成することができます。
※下記はジチタイワークスVol.1(2017年12月発刊)から抜粋し、記事は取材時のものです。
[提供] 愛知県名古屋市北区
背景
同係では、これまで生活保護費の算定にあたる聞き取り調査を、長年の慣習で全てボールペンによる手書きで記録。そのため、「書き間違いがあっても修正できない」「担当職員によっては文字に癖があり判別しにくい」「作成するのに時間がかかる」といった苦労の声が挙げられていました。
実施内容
エクセルをベースに「復命奉行」というソフトを開発しました。ただPCで記録できるだけでなく、効率が上がるようさまざまな機能が追加されています。
使用頻度の高いフレーズはでワンクリックで
対象者によっては、他の対象者と類似した記録を取る場合があります。これに対して、従来はその都度一から記載していましたが、使用頻度の高いフレーズを予め準備することで、その項目をクリックするだけで貼り付けられるようになりました。
工数の削減だけでなく、文言の統一も図られることで別の人が読んだ時に誤解を生むことも減少されました。
根拠法令を簡単に調べることができる
記録を記載していくと必ず根拠法令を確認する作業が発生しますが、これまでは紙の辞書を横に置いて調べる等で対応していました。「復命奉行」導入後は、左半分の画面で記事を書きつつ、右半分の画面で根拠法令を見ることができるようになり、大幅に効率がUPしました。
項目を入力するだけで出力可能
印刷を行う際、ページサイズ等を都度設定し印刷する必要がありました。しかし、「復命奉行」によりフォーマットを作成し、その項目を入力していくだけで必要な書類を自動的に出力できるようになりました。初めて異動してきた職員もフォーマットに従うだけで書類を作成することが可能です。
ポータル機能を持たせた
訪問する際に参考となる、天気、渋滞情報等を同じ画面で閲覧できるようにしました。ちょっとしたことですが、業務に役立っていると好評です。
成果
導入して1年で残業時間は1人当たり月11時間も削減することができました。ソフトは職員の声を取り入れながらブラッシュアップされ、現在は名古屋市の9つの区役所・支所で利用されています。
なお、システムは自前で開発しているため開発コストは発生していません。
おわりに
いかがでしたか?
自治体ならではの前例踏襲という壁に、職員自らのスキルと情熱で立ち向かう心意気が素晴らしいですね。
最後に、残業時間が削減された結果、皆さんのアフターファイブが充実したそうです^^ いいね!