総務省は地方自治体や企業が発行するポイントを、買い物などに使える「自治体ポイント」に交換できる事業を2017年9月25日から開始しました。
事業に賛同する自治体は244団体(2017年12月21日時点)で、準備が整った団体よりサービスを開始しています。
※下記はジチタイワークスVol.1(2017年12月発刊)から抜粋し、記事は取材時のものです。
[提供] 総務省
概要
自治体ポイントとは、「1自治体ポイント=1円分」として地域の商店街でのお買い物や、美術館や博物館といった公共施設の利用料、およびオンラインでの購入等に利用できるポイントです。今回の取り組みによって、クレジットカード会社や航空会社など対応する民間企業のポイントやマイレージを自治体ポイントに交換できるようになりました。
というのも、実は現在クレジットカードや携帯電話のポイント等、毎年4000億円相当が発行されていますが、少なくとも約30%の約1,000億円以上が使われることなく失効しているとのこと。それらを地域における新たな財源として活用しようというのが大きな狙いの一つです。また、自治体によっては、地域のボランティア活動や健康プログラムへの参加でポイントを獲得することもできます。
利用にあたっては、Webサイトの自治体ポイント管理クラウドとマイナンバーカード活用します。そのため、マイナンバーカードの普及や利用促進にも繋がる打ち手としても期待されています。
メリット
自治体
自治体にとっては、主に2つのメリットがあります。
①地域経済の活性化
繰り返しになりますが、民間企業によって付与されたポイントを交換して、地域の商店街や自治体が準備した特産品等への購入に使用できます。この際、商店街や自治体には原資がかかっていないことがポイントです。
②開発コスト不要
これまで自治体がポイント事業を実施する場合、紙の台帳で管理することの手間や情報システムを個々に調達するなどのコストが発生していました。しかし総務省が準備するインターネット上の共同利用のマイナンバーシステムを活用することで、コストをかけず(削減して)取り組むことが可能です。
企業
企業におけるメリットは顧客満足度の向上です。通常、クレジットカード利用で貯められたポイントはカタログの商品とポイント額に応じて交換されるのが一般的ですが、カタログの更新や商品発送はアウトソースされています。自治体ポイントへの変換を行うと、その際の選択肢が広がるため顧客側にとってはサービス向上につながる上、企業側が負担することになるコストが従来と比べて安いといったメリットもあります。
おわりに
いかがでしたか?民間企業が発行するポイントを獲得することは、様々な可能性を生むものと言われています。
ふるさと納税と同様に、各自治体の創意工夫次第によって、成果は大きく異なってくるはずです。まずは小さなことから取り組んでみてはいかがでしょうか?
詳しくはウェブ(「自治体ポイントナビ」で検索)を参照。