求人マッチングシステムを活用し、地域企業と住民をつなぐ仕組みづくりに取り組む湯沢町。コロナ禍における雇用減や、働き方改革への妙策として、県も支援しているという。自治体初導入となる取り組みの背景や成果について話を聞いた。
※下記はジチタイワークスINFO.(2023年4月発行)から抜粋し、記事は取材時のものです。
[提供]株式会社Matchbox Technologies
住民が望む多様な働き方を行政が主軸となって支援する。
同町が令和4年7月から導入をスタートした「ゆざわマッチボックス」。まち公式の求人マッチングサービスで、地域企業が募集する“ギグワーク”の情報を住民向けに提供するという新たな仕組みだ。ギグワークとは単発・短時間で自由に業務を請け負う仕事のこと。働き方にも多様性が求められている今、注目度が高まりつつある。
サービス導入は、コロナ禍の影響を受け、住民の就労機会が減ったことが背景にあったという。「直接のきっかけは、子育て世代の住民から“パートのシフトが減ったうえに、仕事の数自体も少なくなって困っている” “地域の求人情報を一括で調べられる仕組みが欲しい”と相談を受けたことでした。それを聞いて、同様の悩みをもつ住民は多いのかもしれない、と考えたのです」。そう話すのは、観光商工課の酒井さん。
特に冬になるとスキー客でにぎわい、観光業を中心に求人が増える同町。オフシーズンにも仕事があれば、冬に訪れた季節労働者を一時的な関係性で終わらせず、定住させられる可能性も生まれてくる。実際、観光業以外にも労働力が必要な業種は少なくないため、地域の企業にとってもメリットは大きいと考えた。
人材情報を再活用することで採用活動の内製化が見込める。
同サービスは「Matchbox Technologies(マッチボックス テクノロジーズ)」と同町が共同で運営。原型となった雇用プラットフォームサービス「マッチボックス」は、企業と働き手を直接つなぎ、人材募集だけでなく、シフト管理、労務管理までを一貫して行い業務効率化を図る、独自の仕組みを備えている。その“セルフソーシングシステム”と呼ばれる仕組みにより、確保した人材情報をプールし再活用できるため、派遣会社などに頼らず採用活動の内製化が見込めるそう。今回、同町の依頼でサービスを自治体用に改修し、住民と地域企業をつなぐプラットフォームを構築したという。
採用の決め手となったのは、「同社がセルフソーシングのパイオニア的な存在であり、これまでの多くの実績が、求めるサービスの構築に役立つと考えたからです」。
令和3年10月に相談をもちかけたところから始まり、翌年5月に予算が可決され正式にプロジェクトがスタート。約2カ月後の7月にはサービス開始となり、システム構築のスピード感にも魅力を感じたという。さらに、掲載先のリストアップから、商工会、地域企業への訪問まで運営を任せられることも大きなメリットだろう。
観光業に偏らない雇用を創出し地域全体の活性化を目指す。
実は当初、提案先の企業側からは求人掲載に抵抗感を示されることが多かったという。多くの企業は長期雇用前提で募集をするのが慣例で、ギグワークのニーズに懐疑的だった。しかし、民間でのサービス実績やメリットを説明することで、賛同する企業が徐々に増加。それに伴って“まちをみんなで盛り上げよう”という空気も生まれた。その結果、掲載求人総数は令和5年3月時点で1万6,800件を超えているという。
求人情報の充実に比例して、求職者の登録人数も増加。こちらも3月時点で790人を超えるなど成果を上げている。「掲載企業側から“同じ人が複数回働いてくれる”“これを機にマニュアルを整備してスタッフの教育に活用したい”といった声が寄せられています。予想以上の数にも驚きましたが、何より人材の再活用、業務効率化といった、ねらい通りの成果を出せていることがうれしいです」。今後は農業やデスクワークなど、観光業に偏らない求人ニーズを企業側に伝え、雇用の幅を広げたい考えだ。
「雇用環境が充実することで、定住人口の増加にもつながります。県からもこの取り組みには支援をいただいていますし、今後も力を入れていきたいですね」。
湯沢町 観光商工課 観光商工係
酒井 真紀子(さかい まきこ)さん
自治体主導で地域企業の雇用の需要を掘り起こし、住民ニーズに応える。
「マッチボックス」の導入メリット
「マッチボックス」でできること
1.登録利用者のデータ収集と利活用
利用者の登録状況や、年齢、勤務時間、給与などをデータとして収集可能。データをもとに住民ニーズを分析することで、地域経済の実態が把握できるため、雇用の創出や地域企業との連携などに役立つ。
2.地域企業の求人機会の拡大
募集と採用のいずれもWEB上で完結する自治体の公式ギグワークプラットフォームなので、ハローワークや新聞折込広告、店頭でのポスター告知などよりも広く求人情報をアピールできる。
3.オフシーズンの労働力確保
今までマッチングできていなかった住民との接点が生まれることで、例えば湯沢町では、観光シーズン以外の労働力確保が容易に。また、移住・定住ニーズの掘り起こしにもつながり、地域活性化が期待できる。
新潟県の最新トピックス
●県内各市町村のギグワークマッチングの導入支援を令和5年度に県が予算化!
●佐渡市がマッチボックスの導入を決定!
ゆざわマッチボックスは、新たな雇用創出の成功事例として県内に広がり、他市町村でも導入に向けた動きが始まりつつある。
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