ジチタイワークス

三重県

予算ゼロの雑木伐採プロジェクトでまちを守る

三重県では、平成29(2017)年から員弁川の雑木伐採プロジェクトに取り組んでいます。

※下記はジチタイワークスジチタイワークスVol.6(2019年6月発刊)から抜粋し、記事は取材時のものです。

みんなのまちをみんなの手で守る

毎年のように自然災害が頻発するなか、想定外では済まされない災いのひとつが洪水です。三重県の北東部を流れる二級河川、員弁川の上流には川のすぐ近くに住宅街があり、異常気象による豪雨が発生した場合は水かさが堤防を越える可能性が高いとされていました。そこで、万が一の洪水に備え、河川内に生えている雑木の伐採プロジェクトに着手。河積(河川の横断面において水の占める面積)を確保して住民が安全に暮らせるまちづくりを始めました。「みんなのまちをみんなの手で守りたい」を合言葉に始動しました。

プロジェクト始動にあたり地域住民や建設業協会、河川漁業組合に声をかけ協力を要請。予算ゼロからのスタートのため、伐採に関わる人員は全てボランティアでまかないました。初年度は70〜80人が集まり、川幅が狭く氾濫の危険性が高いとされている桑部橋の上流付近で、100kg以上の雑木を伐採しました。

伐採した雑木は薪にして無料配布

伐採した雑木は薪にして住民に無料で配布されます。住民からはとても喜ばれ、これを目当てに参加する方もいるそうです。また通常は業者に発注する作業をボランティアで進めたため、100〜200万円程度かかる事業費を枝の処分費5万円で収めることができました。

こうした活動をホームページで知った参加者が増え、平成30(2018)年の活動ではボランティアが85人と2割増員。枝の処分費も前年度より抑えることができたといいます。フェイス・トゥ・フェイスで、一人ひとりに協力を呼びかけ、有志を募って徐々にプロジェクトを広げているのです。

担当者は「今年度は、重機を取り入れて川の清掃を進める。さらなる地域住民の参加を呼びかけ、『自分の住む“まち”は自分たちで守るのだ』と意識を高めて活動を継続していきたい」と話します。


伐採作業は重機を使用せず、全て人力で取り組んだ。

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