デジタルトランスフォーメーション「J-STO」
内閣府が超スマート社会として新たに“Society5.0”※を掲げデジタル革新を推進する現代。その一方で、未だアナログな業務に多くの時間と労力を費やす自治体も多い。そんな中、いま世界から注目を集めるイノベーション「J-STO(ジェーエスティーオー)」の可能性について、「レヴィアス」の田中さんに話を聞いた。
※下記はジチタイワークスVol.10(2020年6月発行)から抜粋し、記事は取材時のものです。
[提供]レヴィアス株式会社
コロナ対策としても急がれる自治体業務のICT化。
内閣府の掲げるSociety5.0に向けたICT化への舵きりは、自治体における重要課題の一つ。加えて、令和2年に入り新型コロナウイルス感染症対策のため人間の動きを伴う業務を極限まで減らす必要が生じたことで、その必要性はさらに高まっている。
こうした状況に対応するべく、各自治体で様々なレベルでのICT化が進められているが、アナログな管理がまだまだ残っているのが実情。重要情報を取り扱うところでさえ、紛失の恐れがある中で紙による管理を行うケースが多く、職員に大幅な手間がかかる。そうした状況を踏まえ、次世代に向けて開発されたシステムがレヴィアスの「J-STO」だ。
ブロックチェーン技術を生かした「J-STO」で業務が変わる!
J-STOは、最新のブロックチェーン技術やAI技術を活用し、これまでアナログで管理されていた資産や契約情報を電子的に管理することができるシステムサービス。ブロックチェーンとは、インターネット上でのやり取りの履歴を時系列に沿って台帳(帳簿)として記録。ネットワークの参加者たちが分散して管理を行い、データの改ざんを事実上不可能とする点が特徴だ。
さらに、J-STOは単にブロックチェーン上のデータを取り扱うだけでなく、現実社会のルールに適用したデータガバナンス(データ統治)によって構築される。例えば、資産が譲渡される場合に必要となる煩雑な手続きに対して、コンプライアンスに基づく業務フローの処理やアンチマネーロンダリングとして証跡情報を記録する、などで現実社会とデジタル空間を有機的に結合させる。
つまりJ-STOは、社会性を持った信頼あるデータの流通を可能にするシステムだといえる。「仮想通貨と混同されることも多いのですが、実際は全く異なります。J-STOの場合、現行の日本法の枠組みの下で、実体のないものではなく、資産や有価証券といった形のあるものに紐づきます。改ざんも悪用もできませんから、紙の契約書に比べ、取り扱いが非常に楽なのが特徴で、資産の“流動性”が促進されることが期待されます」と田中さん。
商品券に、ふるさと納税返礼品に、地域への経済効果も期待できる。
こうした“改ざん耐性”と、“業務の効率化”など優れた特性を有するサービスのため、地域の商品券事業などに関するデジタル化の可能性も広がる。自治体が発行する商品券は、従来その自治体内の商店でしか使えないものだったが、J-STOを活用すれば、他の地域の商品券と等価交換することなどが可能になる。ふるさと納税の返礼品にこうした商品券を取り入れれば、納税者によりアピールできるだろう。
さらに、商品券に“流動性”という付加価値が付くことで経済の循環がより大きくなるだけでなく、これまでにない新しいサービスの提供もできるようになるだろう。「J-STOの技術を使えば、サービスに対して持続的な付加価値をアップデートさせていくことが可能です。例えば、商品券に投票機能を付与して、その商品券を持っている人達で投票が行えたり、ある商品券と別の商品券の2種類を待っていた場合に限り、特定のキャンペーンを受けることができる仕組みであったり、様々なオペレーションにより持続的な付加価値を生み出すことが可能になります。また、改ざん不能な事実に基づくビッグデータの集積を可能とするシステム群によって、何が好まれ、どんな動向によって、どの様な結果が生まれているかといった、AIによるデータ解析からマーケティングにも繋げていくことができます」。未来社会Society5.0に向け、いち早い対応策としてJ-STOは着目できるだろう。
※サイバー空間(仮想空間)とフィジカル空間(現実空間)を高度に融合させたシステムにより、経済発展と社会的課題の解決を両立する、人間中心の社会(Society)。
☆令和2年5月1日発表の「新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金」を活用した事業展開も可能です。
レヴィアス 代表取締役 田中 慶子(たなか けいこ)さん
田中さんは2019年、米Forbes「注目すべき10人のテック起業家」に選出されている
ブロックチェーン技術で広がる、新たな自治体業務の可能性!
アナログで煩雑な作業をスッキリとデジタル化できないかな、という困りごとを、J-STOが解決。その他にも、自治体のあらゆる業務分野で、これから社会に広く利用されてゆくブロックチェーン技術の活躍が期待できる。
ご当地商品券が作れます!
その他にできること
1.戸籍や住民票の管理
住民票や戸籍など、重要な情報が記録されるデータは、改ざんされることがないことが必須。人一人生まれるごとに新たなブロックチェーンを活用して情報を記録し、国や各地方自治体にて承認する仕組みを整えておけば、改ざんによりデータが書き換えられる心配がない。
2.選挙投票の結果管理
公正かつ正しい投票が必要な選挙にて、ブロックチェーンを接続して一人ひとりの投票結果の改ざんを防止できる。さらに投票内容を暗号化し、投票者情報と投票内容を分離して管理することで、匿名性も確保した投票も可能にする。
3.農作物の生産履歴の管理
種を植えてから収穫までの成長過程を写真に撮り、ブロックチェーン上に記録。農作物にはNFCタグ付きのQRコードが付与され、消費者はその情報を読み取ることで、どのような土地で、どういった人の手によって作られたのかということを確認できる。
※QRコードは(株)デンソーウェーブの登録商標です。
CHECK
実証実験を募集します!
レヴィアスでは、ブロックチェーン技術の可能性を感じていただきたく、J-STOの実証実験にご協力いただける自治体を募集します。ご要望に応じて対応させていただきます。詳しくは下記までお問い合わせくださいませ。