ジチタイワークス

被災現場を即・「見える化」! ICT技術で地域の防災力を向上

地域の防災に当たる消防団の業務ロスをなくし、災害から効率的にまちを守るために、ICTができることとは。消防団向けアプリ『FireChief』を展開する防災ベンチャー・株式会社タヌキテックの市川 浩也さんに話を聞いた。

※下記はジチタイワークスNEWS(2020年6月発行)から抜粋し、記事は取材時のものです。
 [提供] 株式会社タヌキテック

一刻を争う団員への緊急連絡がアナログでなされている現実

大型災害が増加する近年、地域防災の一翼を担う消防団の重要性はますます高まっているが、全国的に消防団員の確保が大きな課題だ。1969年には全国123万人いた消防団員数は、この半世紀で40万人も減り、2019年には消防団員数が84万人と過去最少を更新。消防活動の効率化・高度化が急務となっている。しかし、未だアナログな方式で運営されていることも事実だ。

例えば、災害発生時の緊急連絡。切迫した出動要請であるのにも関わらず、大半が電話やメール、防災無線といった手段のみで、確実性・即時性に欠けることが。また、急を要さない通知事項についても今なお、郵送が一般的な連絡手段だ。このような状況が、消防団員を管理する職員と消防団員の双方に大きな負担を強いている。

そこで、これまでの運営方法を刷新し、「消防団をスマート化したい」という要望に応えるべく、2018年より「消防団出動指令および動態管理アプリ『FireChief 』」が登場した。

セキュリティ万全で特許も保有、産学連携で誕生した『FireChief』

このアプリは、自治体と地域の消防団員をつなぎ、災害業務から日常業務までクラウドで管理できるもの。地域防災を研究する関西大学社会安全学部 永田教授との産学連携で開発されたもので、特許※も取得済みだ。

災害発生時、管理者は団員に一斉に出動指令を出すと同時に、個々の団員の出動状況をリアルタイムで把握。指令台と接続することで自動で指令送信も可能で、団員側からはスマホをタップするだけで出動の可否が伝えられる仕組みだ。

さらに、現場到着後には、被災状況を撮影した動画や画像を送信したり、地図上に要救助者や延焼・浸水範囲が入力できる機能も搭載されている。

これにより、消防本部の管理者および消防団内だけでなく、県の災害対策本部や消防庁へも最新状況を共有することができる。また、平時には、「スケジュール管理」や「全団員へのお知らせ」といった機能を駆使し、連絡業務に関わる負担を軽減できる。

テロなど有事の際に標的になりやすいという消防団のアプリだけに、セキュリティ対策も万全、国際規格※も取得している。「被災された方のプライバシーを守るためにも、セキュリティには特に注力しています。団員が意図せず情報を漏洩してしまうような事態も阻止できます。また、指令内容を自動で送信したり、指令操作のサポートもでき、これらは消防本部が潜在的に求めていた革新的な機能です」と市川さん。


消防団アプリ『FireChief』導入後は、時間と消防団費の大幅な削減が期待できる。

活動の最適化で火災被害を最小化

アプリのようなデジタルツールの導入は消防団の活動に様々なメリットがある。その筆頭に挙げられるのが現場到着時間の最短化だ。従来、出動には消防分団内の合計で約30分かかるそうだが、このアプリを使えば、6分も短縮できるという。現場への到着が早まることで火災を早期に鎮圧できるケースが増え、より多くの人命や財産が守れる可能性が高まる。同時に、アプリの使用を通して個々の団員の活動記録が取れるため、近年問題となっている出動手当の不正申請問題も記録に基づくことにより解決できるという利点もある。

地域防災に対する使命感が高く、土地のことも知り尽くしている消防団員は、住民にとって一番身近な頼れる存在だ。業務のスマート化によりその力を最大限に引き出せるようになれば、住民サービス向上へつながり、自治体全体の防災力も底上げできるだろう。


自らも消防団員として7年間地域防災に貢献してきた経験を持つ市川さん。

現場・管理側ともに効率化!消防団を支援する動態管理アプリ

出動指令に要する時間はたったの10秒。また指令台と接続し自動で指令も可能!現場の状況と団員の活動状況を可視化し、出動から撤収指示までスピーディに処理。多彩な機能を搭載したアプリの導入で、ICTを活用したスマート消防団へ。


延焼区域や浸水した区域の地図入力は端末には保存されず、全てクラウド上で管理されるため安心。

『Fire Chief』アプリの特徴

動態管理

災害現場でのマネジメントが可能!活動中の消防団員の現在位置をリアルタイムで表示。団員の状況を瞬時に把握し、出動状況を管理できる。

現場情報

災害現場の情報の可視化が可能!延焼区域や浸水した地区などを地図上に入力し現場の状況共有が行える。さらに、動画や画像の送信で災害対策本部へ現場状況の映像を配信することもできる。

動態入力

職場や学校からでも出動の可否の連絡が可能!出動要請に対し、アプリからタップをするだけでどこからでも速やかに出動の可否を連絡できる。

撤収指示

活動終了や誤報での早期撤収指示が一斉に可能!活動後の撤収指示を一斉プッシュ通知することで消防力の早期回復を実現。さらに、出動途上で、誤報と判明した際は団員への引き上げ指示ができる。

通話機能

消防団無線の補完としての通話が可能!将来的には分団内、他分団との通話が可能に。電波不感地帯の山間部や大規模災害に備えた衛星通信端末の貸与もできる。

日程調整

消防団活動のスケジューリングが可能!訓練や防火指導など、管理者より予定通知と参加可否についてアンケートを行い、収集した結果はクラウド上で一括管理することができる。

連絡伝達

幹部団員への連絡負担をクラウド利用で軽減!郵送やFAXで行っている事務連絡がアプリで簡潔に。幹部、全団員と階級に応じた情報伝達ができる。

これらのサポートは、アプリの概要をはじめ、指令操作から情報セキュリティの基本説明まで対応いたします。

また、消防団員からのお問合わせ内容に対して、必要に応じて現場でのサポートも行います。

導入後もサポート体制が万全です

導入後、消防団員および消防団幹部へ事前研修を行います。現場の声を反映したアップデートも随時行っていますので、お気軽にお問い合わせください。

お問い合わせ

株式会社タヌキテック

TEL:075-778-5094
住所:〒604-8006 京都市中京区下丸屋町403

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