私は５年前、企画調整課で世界遺産「富岡製糸場と絹産業遺産群」の構成資産の一つである「田島弥平旧宅」を活用したまちづくりを担当していました。都市間連携も担当していたため、市のゆるキャラ「くわまる」の着ぐるみを着て、近隣の深谷市や本庄市のイベントなどにも参加していました。「ふっかちゃん」や「はにぽん」と一緒に、群馬県や埼玉県の各地で活動していた頃がとても懐かしいです。プライベートでは、市民団体に参加して、世界遺産関連のまちづくりイベントを開催していました。当時は、世界遺産登録直後でしたので、公私ともに世界遺産を活用したまちづくりに取り組んでいました。
３市の“ゆるキャラ”による都市間連携イベント
各種の研修、会議、イベントなどにおける“オンライン化”が進んだ５年間であったように感じています。近年では、Zoomなどによるオンラインのコミュニケーションなしには仕事も生活もできないほど、オンライン化が進んだのではないでしょうか。また最近では、オンラインでもリアルでも、どちらでも参加できるイベントが増えてきました。今後は、オンラインとリアルの双方の長所を活かした、ハイブリッド型のイベント開催が定着していくように感じています。
「ジチタイCLASS」でオンライン講義に登壇
私は、20年前に民間企業の会社員から自治体職員に転職しました。それ以来、自治体職員はプライベートな時間の使い方を工夫することで、貴重な経験ができる素晴らしい職業だとずっと思っています。民間企業の会社員だった頃は、全国各地への転勤が続き、なかなか腰を据えて地元の市民活動に参加することができませんでした。自治体職員は、プライベートな時間を活用して市民活動などで地元の人脈を築くことができ、その人脈を仕事に活かせる“魅力的な職業であることが変わっていない”と感じています。
市民活動で“まち歩きイベント”を開催
この５年間で４回の人事異動を経験しました。苦労したこととしては、毎年、新しい職場環境に早く慣れること、そして全く未経験の新しい職場でも、チームの力を最大限に発揮できるような職場づくりを行うことでした。毎年、新しい職場環境で働くことは、とても新鮮な気持ちで仕事に臨める一方、慣れるまではストレスを感じることもあります。「もっと若い頃に多くの人事異動を経験し、様々な部署の仕事に携わっておけばよかった……」と感じることもありました。若手職員の皆さんには、ぜひ多くの部署を経験しておくことをお勧めします。
多くの人事異動を経験する中で、役職も係長、課長補佐、課長へと大きく変わってきた５年間でした。所属だけでなく役職が変われば、求められることも大きく変わる。そんな変化の多い状況の中で、職場の皆さんのおかげで何とか目標をやり遂げたことに達成感を覚えました。特に、10年ぶりの出戻りで都市計画課に配属となり、新しい都市計画マスタープランを策定することができたことが思い出に残っています。個人的には、いつか後輩に書き残しておきたいと思っていた都市計画の実務書「自治体の都市計画担当になったら読む本」（学陽書房）を出版できたことに達成感を味わいました。
“都市計画の実務書”を出版
５年後には、より成熟した社会になっていることが予想されます。成熟した社会では、地域、組織、個人ともに、知識や経験を学んだ成果によって大きな差が生じるようになると考えています。様々な人々が、知識や経験を少しずつシェアして、よりよい社会を築いていくことを期待しています。私も微力ながら、そのような活動に貢献していきたいので、常に模索を続けていきたいと考えています。
全国の様々な最新事例などに光を当て、いち早く多くの読者に伝えていただける情報誌として今後も期待しています。無料の名刺作成サービスもあるようなので、私もぜひ活用してみたいと思います。今後も、自治体職員にとって役立つ、様々な情報の提供をよろしくお願いします。
