ジチタイワークス

北海道下川町

子ども本人が登場する絵本で、読書習慣のきっかけをつくる。

言葉と心の発達を促すオリジナル絵本

読書習慣の形成には、乳幼児期から本に親しむことが重要だといわれている。下川町では子どもが0歳・1歳半・3歳のときの合計3回、絵本をプレゼントする事業を実施。昨年からは「パーソナル知育絵本」を導入し、事業の充実を図っている。

※下記はジチタイワークスVol.27(2023年8月発行)から抜粋し、記事は取材時のものです。
[提供]NTT印刷株式会社

入学までに絵本を3回プレゼントする、手厚い支援ならではの課題があった。

もともと同町では、0歳児に絵本を2冊プレゼントする取り組みを、平成15年から行っていた。さらに、幼少期に家庭でもっと本に触れてもらおうと、平成25年度からは1歳半と3歳児を対象に「ブックスタートフォローアップ事業」を追加で実施。フォローアップ事業では、市販の16種類の絵本から毎回2冊を選んでもらっていたが、多くの本をプレゼントするからこその課題があったという。

「兄姉がいる家庭などでは、どうしても手持ちの絵本と重複するケースがありました」と松本さん。種類を増やして対応していたものの限界を感じ、異なるアプローチでの代替策を探っていた。

そんな中、新たな選択肢となったのが、パーソナル知育絵本。WEBで子どもの名前や性別、好きなものなどを入力すると、本人が主人公になった絵本ができる仕組みだ。道内の自治体に導入実績があることを知り、個別に照会。評価が高かったため、導入を検討しはじめたという。

令和4年6月、開発・提供元の「NTT印刷」に問い合わせたところ、5日後には東京から担当者が来庁。説明を受け、「世界に1冊だけの本となるため、家庭内で重複することはないと認識しました。子ども自身が主人公となる絵本は愛着をもって繰り返し読んでくれるだろうし、大人になっても思い出に残るのではという期待もありました」。

“世界に1つだけ”という独自性に年度途中のスピード導入を決定。

NTT研究所の研究成果にもとづいた、言葉の発達や理解を促す内容であることや、担当者の迅速で丁寧な対応も採用を後押しした。同町の視聴覚ライブラリー委員会による諮問でも前向きな答申を得て、7月上旬には内部決裁、同月内に契約締結とスピーディーな導入が実現したという。

「実は、“知育絵本”という言葉から早期教育をイメージし、あまり良い印象をもたなかったんです。どんな内容なのかと懸念はありました」と話すのは、図書業務を担当する大瀧さん。しかし実際に見本を手に取ったところ、手遊びや親子のコミュニケーションを促すような内容となっており、幼児向けのしっかりとした厚みのあるつくりで、「これは良い、薦められると思いました」と当時を振り返る。

早速9月から、1歳半と3歳児の健診会場で絵本の説明を行い、WEBでの申し込みを案内。保護者が注文すると約2週間で町民会館の図書室に届くので、来室してもらい手渡している。図書室への来室の機会をつくり、その後も気軽に訪れやすくすることで、読書の推進につなげることもねらいだ。

本に触れる機会が減った今こそ読書習慣を育てる仕組みを。

年度途中からの追加導入となったため、すでに健診を終えていた親子には申し込み券を配布。すぐに注文もあったそうだ。期待していた通り子どもの反応は良いようで、「保護者からは“自分の名前が登場するので、喜んで何度も読んでいる”“妹にプレゼントされた絵本を見て、小学1年生の兄が自分の名前の絵本を欲しがったので、オーダーした”といった声が届いています」と笑顔で話す。

子どもの名前や、本人の好きなものが出てくるので、市販の絵本よりも興味をもち、反応が良いという。


読書は全ての学力の基礎となると考え、以前から読書習慣づくりを推進してきた同町。町立小学校では毎週1回、全校での朝活動として15分間の読書時間を設けているという。また、町民会館の図書室は土日・祝日含めて10時から18時まで、ほとんど休むことなく開室。「同じ建物の2階には児童室があり、大雪や雨の日にも安全に遊べる場所になっています。図書室が、放課後や休日の子どもの居場所になってほしいという思いもあります」と、2人は同じ思いを語ってくれた。学ぶ喜びや知識欲を醸成する、読書推進の取り組み。即時的な効果が見えない部分だからこそ、自治体としての粘り強い継続的な支援が必要なのではないだろうか。

下川町
教育委員会 教育課
左:松本 竜義(まつもと たつよし)さん
右:大瀧 真弓(おおたき まゆみ)さん

 

本事業の予算情報

約10万円

例年、対象者は年齢ごとに各20人程度。まちで運用する「木質バイオマス削減効果活用基金」の一部を子育て支援に活用しているという。

導入実績

全国22自治体

お問い合わせ

サービス提供元企業:NTT印刷株式会社

部署:データビジネス部
TEL:03-6453-7429
E-mail:ehon@nttprint.com
住所:東京都中央区入船3-2-10

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