ジチタイワークス

京都府京丹後市

「公務員が楽しめる時間を提供したい」公務員YouTuber・原田翔さんの想い

「ジチタイワークス無料名刺」を手掛かりに公務員の仕事観を深堀りしていくインタビュー企画「私と名刺のはなし」の第5回。今回は、公務員YouTuber「はらしょ」としても活動されている京都府京丹後市の原田 翔(はらだ しょう)さんにインタビュー。YouTuberになった経緯や展望など、じっくりお話を伺いました!

スキルアップのために転職を決意する

ー 原田さんは自治体から自治体への転職を経験されていますよね。
原田さん:まず、大学卒業後は京都府長岡京市に入庁しました。そして2021年1月に「ふるさと創生職員」として京丹後市へ転職し、今は公務員とYouTuberを兼業しています。

ー なぜ転職されたのでしょうか?
原田さん:当時、空き家の部署にいました。そこで力不足を感じたんです。例えば空き家活用事例の動画を作ってたんですが、もう少し上手くできないかなと。そんなときに京丹後市が兼業OK の求人を出していて、せっかくなら「YouTuberとの兼業を経験してみよう」と思い、京丹後市に転職しました。民間企業への転職も考えましたし、実はIT企業から内定を頂いていました。でも「中途半端な形で公務員を辞めるのもな」と感じたんです。

ー  ちなみに、いつ頃から動画に関わっておられるのでしょうか?
原田さん:大学時代に部活動で動画編集をしていたんです。当時は趣味だったので、社会人になったらしないだろうと思っていました。ただ、2015年頃から普通のサラリーマンもYouTubeで動画を公開するようになったので、私もやってみたくなったんです。それで、当時は長岡京市で空き家担当をしていたので、空き家の活用事例動画をつくるようになりました。でも、動画を作ることからもう一歩踏み込んで、YouTuberになりたいという想いがあって、転職するしかないと思いました。

ー なぜYouTuberになりたいと思われたのですか?
原田さん:自分が出たかったんです(笑)。大学時代は放送部と演劇部に所属していたので、出演が恥ずかしいというのはないです。

▲社会人になってからも演劇活動を続けている。

公務員が楽しめる時間を提供したい

ー 公務員YouTuberとしての第一歩をどうやって踏み出されたのでしょうか?
原田さん:実は、今のチャンネルは3代目です。どんなチャンネルにしようかと試行錯誤する中で、役所が出す公式情報には公務員のメリットばかり書かれていることに気づきました。自分から欠点は言わないでしょうけど(笑)。
とは言え、私は公務員人生の中でデメリットも感じてますし、苦しんでいる同僚も見てきました。それなら役所のいいところも悪いところも話すチャンネルをつくろうと思って、今のチャンネルが生まれたんです。
最近は、「公務員には厳しいところもあるぞ」とアナウンスする役所も増えてきました。受験生も色々な情報を目にする中で、良い情報ばかりを信じなくなっているのかもしれません。

ー ぶっちゃけ、現在の視聴者層や収益はどんな感じですか?
原田さん:視聴者は、18~24歳が3割、25~34歳が4割で、男性が87%を占めています。広告収入が最も高かったのは2021年3月の約2万1,000円ですね。でも同年5月は一気に9,000円まで下がりました。最近では、全く面識のない職員と初めてコンタクトを取ると「動画見てます」と言ってもらえることもあります。

ー チャンネルの手ごたえを感じたタイミングはありましたか?
原田さん:ネガティブ系の動画は再生回数が伸びやすい傾向にありますね。私の名刺のウラ面にも載せているのですが、2021年4月にアップした「元公務員人事が語る 完全攻略 人事異動ガチャ」は2.5万回再生されています(2022年1月末現在)
また、なぜか再生回数が伸びたのは「就活2021 公務員がオススメです」という動画。他にも公務員関係の動画を上げてる人は沢山いて、ネガティブ系の動画がたくさんあります。その中で公務員を肯定したことによって、「やっぱり公務員はいいですよね」と共感していただけたんだと思います。

ー YouTubeに投稿する動画のネタはどうやって見つけているのでしょうか?
原田さん:SNSなどで流行っているネタを活用することが多いです。例えば、SNSで元公務員の方が発信した「公務員は頑張ったら負け」という考えが物議を醸していましたが、そういったネタを活用しています。僕は決して、頑張ったら負けとは思っていません。
また、「市役所職員が負け組になる時代が来る」という動画を以前投稿しました。これは、愛知県庁が国家公務員や都道府県庁の経験者を採用しはじめたことをネタにしています。ただ、「愛知県庁の採用方法が面白い」では誰も見ないので、タイトルを工夫しましたね。

ー それでは、公務員YouTuberとしての展望は何かありますか?
原田さん:フォロワー5000人を達成したらもう十分かなとも思っている一方、全国の公務員が楽しめる時間を提供したいのでYouTubeは続けたいですね。人生=時間なので、「はらしょのYouTubeを見れば時間を有効に使えるな」と思ってもらえるようなチャンネルにしていきたいです。

▲動画配信の様子

対内的な情報発信にも力を入れる

ー ふるさと創生職員としてはどんなお仕事をされていますか?
原田さん:ふるさと創生職員は、法的には「任期付短時間勤務職員」と呼ばれており、私は移住業務を担当しています。
実は昨日、京丹後市への移住を検討されている方が関東から見学にいらっしゃったので案内したら、「YouTubeに出ている方ですよね」と声をかけられたんです。私は職場で「田舎暮らし応援チャンネル【京丹後市公式】」を運営しています。「移住を考えていて、移住先の候補は京丹後市を含めて3つくらいに絞っている」といった層に向けて、PRというよりは田舎暮らしのリアルを紹介するイメージで、移住者の生の声などを発信しています。そういう情報を事前に見てくれていると話のとっかかりになりますし、事前に担当者の顔が見えるのは結構重要なので、YouTubeをやっていて良かったと思いますね。

ー ほかにはどんなお仕事をされていますか?
原田さん:ほかには、広報紙の「U・Iターン者インタビュー企画」を担当しています。実は転職当時、こんな田舎にわざわざ移住する人はいないという先入観があり、対外的なPRとして動画を活用しようと思っていました。でも、実際には、何もしなくても京丹後市への移住を考えている人はいると気づいたんです。観光や縁者の存在が移住のきっかけになることが多く、逆にゼロベースから京丹後市への移住を考える人は少数です。そこで、対内的な情報発信が必要だと考えるようになりました。
また、田舎から若い人が出て行っているのはデータからも確かなのですが、データを取り上げても面白くありませんし、若い人がたくさん戻って活躍されていることを市民に伝えたかったので、Uターン者インタビューを始めました。

ー 潜在的な移住希望者は一定数いるということですね。
原田さん:市役所が何かしなくても、戻ってきたり移住したりする人はいるんです。でも、どんな考えで移住してきたかは知られていないので、広報紙に掲載することで市民が読んでくれたらいいなと思っています。

▲「U・Iターン者インタビュー企画」(引用:広報京丹後2021年11月号、2022年3月号)

名刺のウラ面はセルフブランディングに活用する

ー 今回は「ジチタイワークス無料名刺」をご利用いただき、ありがとうございました!名刺のこだわりポイントを教えてください。
原田さん:ウラ面にこだわりました。YouTubeチャンネルの二次元コードと動画のサムネイル、Twitterとnoteの二次元コードを載せています。

ー オモテ面には公務員YouTuberであることを載せていないですね。
原田さん:基本的に名刺はシンプルな方がいいと思っているんです。オモテ面に写真を大きく載せている人もいますが、受け取る側には関係ありませんし、写真と文字がかぶって見にくいこともあります。オモテ面はシンプルにして、ウラ面はセルフブランディングに活用すればネタづくりにもなります。

ー 名刺はどんなときに活用されていますか?
原田さん:たまに複数自治体が集まるイベントへ行くと「はらしょさんですよね」と声をかけられるときがあるんです。そういうときは「枚数限定ですよ」と、ジチタイワークス無料名刺でつくった名刺を渡していますよ。
また、仕事で移住希望者の方に自作の名刺を渡すことがあります。ジチタイワークス無料名刺でつくった名刺は、公務員に渡すことが多いですね。

▲ジチタイワークス無料名刺で実際に作成した名刺

自分から仕事をつくれた方が楽しい

ー 個人として顔と名前を出して仕事をするのは、誰が担当しても同じ仕事をすることが良しとされてきた今までの公務員イメージとは異なると感じるのですが...。
原田さん:公務員はエッセンシャルワーカーと言われているので、誰でもできる仕事であることは大切だと思います。ただ、誰でもできる仕事しかできない人にはならない方がいいと思うんです。
例えば、動画をつくる能力があったら自分から仕事をつくれますし、その方が仕事は楽しいですよね。動画は情報発信のツールなので、広報で記事を書いてみるなど動画以外の情報発信にも挑戦してみようという発想になれるはずです。そういう意味で、特技を見つけるのはいいことだと思います。

ー 今後、動画をつくれる人が自治体で必要になってくると思われますか?
原田さん:はい。最近は、動画のつくり方を別課の人に教えることもありますね。例えば、市立病院のスタッフを募集したときや市有地を売却することになったとき、Power Pointでの動画作成方法を教えました。スキルをシェアすることが大切だと思っているので、あくまで教えるようにしていますね。

ー 最後に、公務員としての展望は何かありますか?
原田さん仕事を通じて住民の魅力を発信していきたいです。U・Iターン者インタビューも同様のコンセプトですね。Uターン者は、一度外に出たからこそ分かる京丹後市の良さも知っているので、京丹後市の魅力とともにその人が何をしているか語ってもらえば、その人の魅力も伝わると思うんです。「地域の魅力」と言われますが、住んでいる人の魅力も合わせて発信していきたいですね。

おわりに

今回は、京都府京丹後市の原田翔さんにお話を伺いました。
YouTuberとしての顔だけでなく、その活動で得た特技を業務にも活かされている様子が印象的でした。「住民の魅力を発信する」という考え方も、原田さんならではですね!原田さんの素敵な声が聞けますので、YouTubeチャンネルもぜひチェックしてみてください!
次回インタビューもお楽しみに!

プロフィール

京都府京丹後市
市長公室 政策企画課 主任
原田 翔(はらだ しょう)

大学卒業後、京都府長岡京市に入庁。2021年1月、「ふるさと創生職員」として京都府京丹後市に転職。2021年8月、「地方公務員が本当にすごい!と思う地方公務員アワード2021」を受賞。2019年より公務員YouTuber「はらしょ」としても活動している。


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