【伊沢拓司さん】ジチワQ スペシャルインタビュー

クイズ番組などで、常人離れした頭脳戦を繰り広げる伊沢さん。クイズ王として活躍する傍ら、“楽しいから始まる学び”を掲げるメディア「QuizKnock(クイズノック)」を主宰。学びのスペシャリストである伊沢さんが、“公務員の学び”について語ります。
<profile>
伊沢拓司:1994年生まれ。私立開成中学校・高等学校、東京大学経済学部卒業。開成高校時代には、全国高等学校クイズ選手権史上初の個人2連覇を達成。2016年に、”楽しいから始まる学び“をコンセプトに「QuizKnock」を立ち上げ、登録者数195万人を超える同YouTubeチャンネルの企画・出演を行う。TV出演や講演会などクイズプレーヤーとしてマルチに活動中。
ただいまジチタイワークスでは、創刊5周年の特別企画として 令和5年2月17日(金)~ 3月31日(金)まで公務員限定の読者参加型クイズ企画「ジチワQ」を実施しています。たった1問の参加でも豪華プレゼントが当たるチャンスが!
ジチワQ全問題はこちらから!
クイズで知識の扉を開き、学ぶことの楽しさを知る。
“学びの楽しさ”をどう考えますか?
かつて、僕の学びの原動力はクイズに勝つことでした。点数を取ったり、人と競い合ったりするのが面白くて学んでいたけれど、学びそのものを楽しんでいたわけではなかった。しかし、そうした学び方でも、“知識と知識がつながる瞬間”や、それによって“新たな問題が解ける瞬間”は楽しいものです。
学びそのものに楽しさを見出せなくても、学べば楽しさは後から付いてくる。難しく考える必要はなく、自分にとって楽しい学び方で強引に入り口をつくることが大切だと思っています。
自分にとって何が楽しいか気づくきっかけになるのがクイズです。出題分野が多岐にわたるクイズは、まるでバイキングのようなもの。つまみ食いしていけば、楽しく学べるジャンルにきっと出会えるはずです。
ちなみにQuizKnockのノックには2つの意味を込めています。“新たな知識の扉をノックする”と、野球などでいう“1,000本ノック”の2つです。クイズの1,000本ノックに挑むことで、新たな世界を知ってほしい。クイズを通して、いろんなジャンルに触れてほしいですね。
子どものため、世の中のため、クイズを通してできることを追求したい。
自治体とのコラボイベントなどについては、どう感じていますか?
クイズを通して自治体とできることはたくさんあります。クイズは、人に問いを投げかけることで能動的に考えさせるツールなので、自治体に関するクイズを解く中で、読み手が自らその土地の魅力を発見できるはず。
人を巻き込んで地域を活性化するという観点からも、自治体とのコラボは意義深いですね。
クイズは“再発見”を生みます。例えば子ども向けの講演では2人組をつくり、同じ文章をもとに、1人には相手が絶対に分かる易しいクイズを、もう1人には相手が絶対に分からない難しいクイズをつくってもらいます。そうすると、“これなら分かるだろうか”と相手のこ とを想像しますよね。クイズをつくる中で生じた無意識の思いやり、これを褒める。
各地の学校や自治体を訪問しての講演・教育は、僕のライフワークなんです。
公務員ならではの定期的な異動。未知の分野を学ぶ方法は?
自分が知らない分野や、楽しめないジャンルを学ぶとき、僕ならそれを“めちゃくちゃ楽しんでいる人”に話を聞きます。その人の情熱を探ると、自分なりの楽しみ方や取り組みの意義を見つけられるかもしれない。そうして楽しんでいるうちに目的意識を得られれば、その後も継続して学べるのではないでしょうか。
僕は、日常生活で見聞きしたものは全て覚えるようにしています。SNSや新聞などメディアで得た情報も、スタジオで交わした会話も、本で読んだ知識も全てです。クイズ王ゆえに知識のえり好みをしないと自分で決めていますし、意外な知識が意外なところで役立つことも多々あります。
さらに“クイズをつくる・ネタをつくる・話をする”と、とにかくアウトプットを求められる仕事なので、得た知識はすぐに使って、自分に合う・合わないを確認。そこで得た成功や失敗の経験を振り返り、再びインプットしていくのです。
公務員へメッセージをお願いします。
人と人との間で起こるトラブルなど、市民社会が自然には解決できない問題に対応してくれるのが公務員の皆さんです。
複雑な現代においては必要不可欠な存在で、公務員がいないと成熟した社会を営むことはできない。つまり皆さんがいないとイノベーションも、生活の安定も生まれません。
これからも皆さんのお仕事を応援しています!
書籍紹介
勉強大全
ひとりひとりにフィットする1からの勉強法(KADOKAWA)
伊沢拓司
東大合格のために分析・実践した勉強方法!自分の能力を最大限に引き出せるため、学び直したい社会人や、学びが苦手な人にオススメ。
10歳からできる 自分のあたまで考えること(ポプラ社)
どう解く?制作委員会・QuizKnock
「人と人の価値観がぶつかり合うような、簡単な論理の外側にある問題に立ち向かう公務員の皆さんに読んでもらいたい」と伊沢さん。